はじめての物撮り

撮影前のシュミレーション

2024-05-24

どんな器具でどう撮るかをイメージ

 

はじめに


今回移転で撮影場所が狭くなり、撮影方法を見直します。まず1週間かけ、動画やブログで撮影の流れを網羅しました。また器具も一新しました。ちょうどブラックフライデーだったので、メイン照明、サブ照明、白いバックペーパー(背景紙)をアマゾンで購入。1ヶ月後をめどに、知識を復習しながら物撮り手法を確立できればと思います。

撮影の基本

ライティング(光の役割)を理解


 
 
斜光(立体感)→
 
 
逆光(輪郭)
 
被写体
 
順光(色彩)
 
 
←斜光
 
 

光の角度(役割)は円を描くように8通りあります。当てる角度で被写体の雰囲気が変わることが分かりました。
 
※光を組み合わせることをライティングと呼びます。
 

順光(メインライト)

被写体の左斜め45度が理想。メインライトだけだと光が硬くなり、影が出る。
 

斜光(フィルライト)

被写体の左右に配置。メインライトでできた影や暗さを補います。光量は半分程度。強すぎると質感がなくなる。レフ板でもOKです。
 

逆光(バックライト)

被写体の後方・高い場所に配置。背景から浮かび上がるように見える。フレキシブルアームがあると固定できます。
 
→後ろから直接当てる
被写体の輪郭が際立ち、スポットライトのような演出が可能です。
 
→背景の壁に向かって当てる
背景が明るくなって被写体が浮かび上がる。単色な壁にバックライトを当てると、スタジオみたいなグラデーションが演出できます。

撮影環境を整える

物撮りの中心は商品パッケージ・茶葉・茶器です。空間は、商品撮影の専門ボックスも考えたのですが、柔軟性がなさそうなので、100円ショップの白いカラーボード4枚で囲いました。
 

 

購入したLED照明

メイン照明

サブ照明

色温度設定(ケルビン)ができると幅が広がります

 
今回は色彩を忠実にしたいので、白蛍光(4500ケルビン)で設定しました。照らし方のバリエーションが増えるので、はじめてならLED照明はおすすめです。
 

色温度設定例:
太陽 5600ケルビン
夕方 4500ケルビン
夜っぽい 3800ケルビン

後日、三脚も購入

雲台

最初、メイン照明は片方の手で持ち撮影してました。トレッシングペーパーを挟むことで三脚が必要になり、10日後に雲台と共に追加しました。三脚を選ぶ際、照明の重さを考慮してください。(460gの照明でこの三脚だと重さに耐えられない感あり)

 

撮影器具費用:
メイン照明(Ulanzi LT028 40W LEDライト 2500K-6500K CRI 95 TLCI 96 13260Lux
¥9,749
サブ照明(Ulanzi LED 360°RGBビデオ バーライト 2500-9000K
¥3,987
照明三脚 ¥2,168
雲台 ¥1,099
トレッシングペーパー
ホワイトボード ¥440
合計 ¥10000(税込)
※ブラックフライデー期間含む

物撮りの用途を想定


物撮り画像の用途は主に3つあります。
 

サムネイル写真

商品検索をしたときに表示される画像。
 

ディーティール写真

被写体の細部を伝える画像。茶器の場合、色合い・蓋・持ち手など細部も写せます。
 

イメージ写真

イメージシーンを伝える画像。人・シーンに関連するアイテムを取り入れ、使用感を高めます。

撮影ポイントを整理


撮影する際のポイントは、被写体や用途で人それぞれかと思います。今回、わたしになりに考え、4つに絞り撮影に当たりました。

ポジション
コントラスト
光質
デジカメの設定

1、照明の位置(ポジション)

当てる角度、距離で印象は変わります。正面から当てると、のっぺりした感じで、横からだと質感が増します。

真ん中75度

真ん中35度

被写体から30cm。真ん中から撮影

こちらの被写体は茶葉が入った商品で幅1mmです。角度で茶袋の膨らみに違いが出ます。35度の方がリアリティーを感じます。

真ん中遠目75度

真ん中遠目35度

被写体から60cm。真ん中から撮影

同じ位置で距離をとってみました。大差はないですが、ホワイトボードの境界線が薄りました。

2、明暗具合(コントラスト)

コントラストとは光が当たっている部分と当たっていない部分の差。影を使うことで、スタイリッシュ度が上がります。

左斜め75度

左斜め35度

被写体から60cm。左斜め上から撮影

斜め取りで被写体の質感が高まりました。影が濃く、背景はグレーがかっています。
 

⇒影を薄くする方法
サイド光・レフ板・ディフィーズで補正できます。
 
影を薄くできるレフ板のベストポイントはなく、画面を見ながら位置を決めます。

3、光質(こうしつ)の調整

光質とは光の硬さ、柔らかさのこと。どういった種類の光を当てるかです。太陽のようなギラギラした硬さ、曇りのようなフワッとした感じなど。
 

⇒光を柔らかくする方法
光をディフィーズ(拡散)させると柔らぎます。拡散させるアクセサリーはトレッシングペーパー・平面型・傘型ディフィーズなど。予算に合わせ、ご用意ください。

左斜め75度(トレッシングペーパーあり)

左斜め35度(トレッシングペーパーあり)

トレッシングペーパーを挟み撮影

メインライトと被写体の間にトレッシングペーパーを挟み撮影。テカテカ感が減り、影が薄まりました。照明との距離を広げるとさらに柔らかくなります。

1、トレッシングペーパー

メインライトと被写体の間にトレッシングペーパーを挟み撮影。色合いが柔らかくなり、影が薄まりました。照明との間を広げるとさらに柔らかくなります。

2、平面ディフューザー
3、傘型ディフューザー

大きい被写体・広い場所で有効のようです。
 
予算の都合上、今回トレッシングペーパーを使いました。撮影場所も狭いので見送ります。

4、デジカメの設定

最後にライティング環境に合わせたカメラ側の設定です。はじめはオート機能で試してみてください。色味がおかしい場合、細かい設定が必要です。

ホワイトバランス
ISO感度
EVシフト

※メーカーによって設定の名称は異なります。
 

ホワイトバランス

光源による色の影響を補正して、白を白く写すための機能です。カメラは光源の色味をそのまま再現するので、黄色く写ったり、青く写ったりします。

 

ISO感度

デジカメは、レンズを通して光を取り込み、電気信号に変換されることで撮影されます。ISO感度は取り込んだ光を電気信号に変換する際の振れ幅を調節するもの。たとえば、暗い室内はシャッタースピードが遅くなり、ブレる原因に。ISO感度を上げることでブレが抑えられます。
 

EVシフト

EV値とはレンズの絞りとシャッタースピードの組み合わせで得られる光の量(露出量)を示す数値です。被写体によっては、光の量を抑え、暗く撮影してしまうことがあります。

1ヶ月、撮影経験を積んで感じたこと


今回、単調な被写体だった分、特徴が出たと思います。自分的には左斜め35度トレッシングペーパーありで撮影したものが印象的でした。茶葉の凹凸がハッキリ伝わり、商品パッケージのテカテカ感も和らいでいます。影がもっと薄くなれば上出来です。とりあえず、通常業務をこなしながら、1ヶ月でどれくらい上達するか試しました。ここで一区切りし、3ヶ月後の目標を示して、締めとします。
 

⇒3ヶ月後のスキル向上
1、3種類の色温度で検証
2、逆光・斜光を取り入れた、食品や料理のイメージ写真
3、影を薄くするディフィーズの検証
4、面光源・点光源の理解

ホワイトバランス・オート、ケルビン3種で撮影

 

真横5600ケルビンで撮影

 

真横4600ケルビンで撮影

 

真横3600ケルビンで撮影

 
ホワイトバランス・オートですとバラつきが出てしまいました。

ホワイトバランス・白蛍光モード、3種のケルビンで撮影

 

真横5600ケルビンで撮影

 

真横4600ケルビンで撮影

 

真横3600ケルビンで撮影

 
被写体の色合いに近づけました。

ホワイトバランス・白蛍光モード
トレッシングペーパー挟み
3種のケルビンで撮影

 

真横5600ケルビンで撮影

 

真横4600ケルビンで撮影

 

真横3600ケルビンで撮影

 
柔らかい光になったせいか、多少ぼやけています。

参考媒体:
三点照明と光の角度についてプロ照明マンが解説 ライガジェ!チャンネル
撮影におけるライティングとは? 株式会社ゼネラルアサヒ
見るということ ちくま学芸文庫

通り過がり
PhotoGraph
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