大失敗!
現場責任者さんに、迷惑をかけてしまった
10年前の自身の苦い経験をお話しいたします。その制作は社長の直接依頼でした。目的は技術の伝達で資料はない状態。社長は多忙で対応できません。発注サイドの担当は、造詣の深い、現場責任の男性が選ばれました。その方に取材や撮影の調整を行ってもらう予定でしたが、もろくも崩れます。現場は通常業務で手一杯で、その方も制作どころじゃない。協力体制がない状態が3ヶ月続きました。
制作準備の重要性
この事象を招いた原因は、わたしの準備不足です。
適正を見極めず、制作担当を決めてしまった
制作過程でそれぞれ役割が発生します。今回造詣が深い理由で担当者を選任しましたが、実行調整は別問題。プロジェクト統括者がいた方が進行がスムーズです。まずは担当される方と意見交換し、制作が重荷にならないか、慎重に判断します。
担当者と制作意図を共有しなかった
誰と実行を共にするかで成果物はまったく異なります。とくに30名以上の従業員さんがいて、総務的な役割分担が確立されていない場合、気を配ります。社長の目的を担当者さんと共に理解する過程を設けます。
現場へ制作意図を周知しなかった
現場から見れば、外部の人間が余計な仕事を押し付けてくる感覚だったと思います。迷惑をかけたくなかったのもありますが、制作意図を周知し、協力を得るべきでした。
このように、制作を取りしきり、ディレクション・取材・撮影・編集をひとりで進める限界を感じました。プロジェクトとして取り組む準備の重要性を認識させられました。
制作はプロジェクト。統括いただける方・現場と協力しながら制作を進める
部署をまたいだ制作準備を整理しますと‥
1、製作意図の共有
A、社長と方向性を決め、プロジェクト統括者と共有
B、もしくはプロジェクト統括者にすべて一任。
2、プロジェクト統括者の選任
制作実行できる体制を整えます。プロジェクト統括者の右腕がわたしになるのが理想です。
3、現場との橋渡し
現場の仕事に支障が出ないよう、制作実行の調整をしてもらう。ならび制作意図を周知し協力体制を強化する。
このときは早めに白紙に戻してもらえたので、傷口が深くならずに済みました。この教訓からひとりで業務をこなしている弊社は、社長と対話できる案件が中心になっています。